平成30年11月25日
仮設の構造体は撤去され、水平と垂直が復元された躯体がしっかりと屋根を支えています。
両翼の塀の土台はコンクリートブロックで戻されることになり、小屋組みだけ木軸で造り替えます。
新たに大門の左側にくぐり戸を設け、普段はこれを利用するようにするそうです。
平成30年10月31日
柱の根元が腐食や虫食いにより弱っているので、水平に対しては、正面から見て左が約一寸五分低く、垂直に対しても手前と左に約二寸弱傾いています。油圧ジャッキで引き揚げ、柱と梁を差し替えた後、そのまま同じところに下ろすと、柱の芯が当然ずれたところに来ます。これを事前に修正するために、元の構造体の状態で、屋根の位置を移動させておきます。
大方、柱の芯に近いところで仮設の柱を突き上げ、冠木から下の材を撤去します。
屋根だけが宙ぶらりの状態になりました。地震や台風が来ないうちに差し替えないと気が気でなりません。
平成30年9月3日
両翼一間半の築地塀は撤去され、仮設の軸組みを設置しました。
伏せ替える部材の加工はこれからです。
構造材は全て地松(じまつ)【:国産の松】のようです。
柱は尺一(しゃくいち)【:一尺一寸】と五寸の小平(ごひら)【:断面が長方形】使いで、やにつぼがかさぶたの様になる地松独特の経年変化です。
冠木などの部材の断面寸法や、梁間や柱の長さ、全体の寸法の釣り合わせ方は、薬医門の様式をそのまま反映させた正当な結界です。
敷居のみが取り去られていますが、これは今の時代に合わせたものとして、この度は復元しないことにしました。
比翼の両端に乗っている鬼瓦と鳥衾(とりぶすま)は、燻し焼き直しを施し再利用します。