美尾の家

環境負荷の低減を図るため、省光熱水や耐久性に優れた木造住宅と併せて、冬は太陽で集熱した空気を床下の基礎コンクリートに蓄熱をし、温かさを家中に循環させます。夏は放射冷却された空気を循環させ、快適な住空間を保ちます。この「びおそーらー」を搭載した低炭素認定住宅の新築工事は成29年度地域型住宅グリーン化事業の支援による補助金の交付を受ける予定です。

美尾の家は「奈良をつなぐ木の家」です。

びおソーラー」は「手の物語」の製品です。

 

設計 FRONT design

施工 伏見建築事務所

 


材木納材事業者

構造材(土台 奈良県産材「桧」  柱 奈良県産材「桧」 梁 奈良県産材「杉」)

     ・・・泉谷木材商店

羽柄材(垂木、間柱 奈良県産材「桧」 奈良県産材「杉」)・・・泉谷木材商店

内装材(天井板 奈良県産材「杉」 床 奈良県産材「杉」・・・株式会社ホーテック

    枠材 奈良県産材「杉」・・・山根製材 


びおソーラー

「手の物語」より引用

「びおソーラー」は、太陽熱で空気を温めて床下に送り、蓄熱し、その輻射熱を利用して床暖房をします。最大の特長は、換気しながら輻射暖房できることです。春や秋の心地よい気候を延長する効果を持つびおソーラーと建築の工夫で、自然室温で暮らす家を目指します。

夏用と冬用の検知器と切り替えスイッチ、シロッコファンからの送風のみで行う蓄熱式の冷暖房の機能です。機器、器具は市販のものを流用しているので、故障や寿命の場合でもその時代に販売しているもので、取り換えが可能であるという考え方です。

その地の気候に合わせ、また、暮らし方に合わせて手動ではありますが、住まい手の好みの温熱環境を作ることができます。


内観


工事中


平成30年7月5日

内装は石膏板の上に壁紙を張って仕上げます。

1階の居室は、主に東リ製の<珪藻土が生きるがうたい文句の「アースウォール」>が採用されています。

造り付けの流し台と家電収納は設計者の細かい気遣いが盛り込まれています。

流し台の天板はシゲル工業製で、ある一定の決まりはあるものの、寸法に関しては特注製品です。

引き出し金物はハーフェレ製品ですが、引き出しの箱そのものや取り付けは大工の仕事です。

架台や化粧の側板も大工の造作です。

洗面台の天板はエクレアパーツ製の人工大理石です。こちらも幅の寸法に関しては特注品です。

引き出しと可動の棚板の組み合わせで、洗面台としての収納の機能を発揮します。


平成30年6月11日

外壁はモルタル掻き落し仕上げです。

下地は構造体の上に①透湿防水シート張り②通気胴縁縦張り③ラス下地板横張④アスファルトフェルト張り⑤ダブルラス張り⑥下塗りモルタル⑦仕上げモルタルです。

仕上げのモルタルは配合セメント(白セメント)に砂を混ぜるだけです。掻き落しの術(すべ)は昔からの手法です。


平成30年6月1日

床は吉野の杉(一等材:節があるもの)天井は吉野の杉(赤上小無地:赤身の部分でわずかに小さな節のあるもの、または節のないもの)を施します。

いつもながら美しい材を製材加工して、納めていただいております。


平成30年5月20日

床下の基礎に対しては、外周部分の立ち上がりと土間からの熱損失に対抗するため、高性能の断熱材を敷設して、熱環境を整えます。

外壁と小屋裏は普段の通り、気密性を重視しながら、断熱材を充填します。

 


平成30年4月20日

びおそーらーを搭載しました。

2階の部屋からは集熱した空気の取り出し口が見えます。

ここに温度感知、送風機を付け、配管を1階の基礎まで送ります。

基礎は気密に施し、床下は室内と同じ環境にします。 


平成30年3月15日

奈良県産、杉、桧は泉谷木材商店から供給してもらいました。製材に関してはもちろん、桟積みにも気を配っています。特に化粧につかう板の材料は木表を向かい合わせにすることにより、表面に着く桟の跡形がつきません。泉谷さんはここまで気をつかっている木材供給事業者です。

きざみの作業も大詰めです。

 


平成30年2月18日

往馬大社より宮司を招き、地鎮祭を執り行いました。

刈初(かりそめ)、穿初(うがちぞめ)、鍬入(くわいれ)は設計者、施主、施工者の順に地鎮の儀式のひとつに参加します。