環境負荷の低減を図るため、省光熱水や耐久性に優れた木造住宅と併せて、冬は太陽で集熱した空気を床下の基礎コンクリートに蓄熱をして温かさを家中に循環させます。夏は放射冷却された空気を循環させ、快適な住空間を保ちます。さらに集熱した空気を熱交換し、貯湯槽に効率よく蓄える仕組みを搭載した環境創機の「そよ風2」は、自然の恵みを最大限に活用した建築手法による装置です。「微風の家」は低炭素認定住宅の新築工事で平成29年度地域型住宅グリーン化事業の支援による補助金の交付を受ける予定です。
微風の家は「奈良をつなぐ木の家」です。
設計 FRONT design
施工 伏見建築事務所
材木納材事業者
構造材(土台 奈良県産材「桧」 柱 奈良県産材「桧」 梁 奈良県産材「杉」)
・・・泉谷木材商店、山根製材
構造材(梁丸太 奈良県産材「杉」)・・・泉谷木材商店
羽柄材(垂木、間柱 奈良県産材「桧」 奈良県産材「杉」)・・・泉谷木材商店、山根製材
内装材(天井板 奈良県産材「杉」 床 奈良県産材「杉」・・・株式会社ホーテック
環境創機より引用
《そよ風》とは、太陽エネルギーや放射冷却など、自然の力を最大限に取り入れた家づくりの仕組みです。
冬の日中は、集熱空気(暖気)の取入運転を行います。(下左)
冬の夜間は運転を停止します。(下中)
または、室内暖気の循環運転をすることができます。(下右)
夏の日中は室内の空気を吸って外に排出すると同時に屋根を冷やします。(下左)
お湯取り装置を搭載すると集熱空気をコイルに入れて熱交換した後、夏排気口を通じて排出します。(下中)
夜間には放射冷却によって涼しくなった空気を室内に取り入れます。(下右)
平成30年10月30日
屋根から床下へ空気を送る管は、グラスウールダクトです。それを覆うのは鋼板製の螺旋管です。
鋼板は黒色で塗装をします。
平成30年9月20日
太陽熱は屋根葺き材のガルバリウム鋼板に直射すると、当然、鋼板が熱を帯びます。この熱が屋根の間をつかする空気を温めます。より効果的に高温にするため、鋼板の上にガラスをのせます。これで集熱のための屋根の工事は終わりです。
一方、温められた空気は床下へ送り込まれます。こんどは、基礎のコンクリートを温め熱を蓄えます。蓄熱された空気は少しずつ床下から噴出されるのです。基礎の外周部分は外気の影響を受けやすいので、熱の出入りを少なくするため、断熱材を張り付けます。
平成30年8月10日
大屋根の南面は太陽熱を集熱するためのものと、その熱が2階の屋根裏にこもらないための断熱が、背中合わせの状態で施されます。
野垂木(のだるき)の間に高性能な熱硬化性の樹脂で成形された厚さ90ミリの断熱材を充填します。野地板の上に通気層を設けるため、小屋裏への気流を留める面戸をはめ込みます。
通気垂木(つうきたるき)は集熱するための瓦棒葺き鋼板(非遮熱)のどぶ板を直に流し、その空気を集熱するための筒に送り込みます。
さらにはより効率よく空気を温めるための採熱板を並べます。
太陽熱を床下の基礎に蓄熱するため、床下にも居室と同じ空間の循環があるため、気密性能がもとめられ、なおかつ清潔に施されなければなりません。
平成30年7月30日
地鎮祭と同様、上棟式は仏式です。
神式が多いのですが、仏式も何度か体験しております。
ご近所の好(よしみ)でご住職がご参列です。
厳かに、合掌。
平成30年7月28日
小屋組みには化粧の梁丸太(吉野杉)を太鼓摺り(たいこずり)【:梁を成(せい)にして幅を帯鋸で整えたもの】にしたものを妻方向にかけ、地棟(じむね)【:棟木(むなぎ)の下の桁行方向にかけた梁】は丸太のままで面取りをした吉野杉をのせました。
丸太の墨付け、刻みは難しいといいますが、そんなことはなくて、直線的に間竿(けんざお):【梁間や矩計(かなばかり)寸法の基準を書き記した定規)やさしがねがあてられないだけであって、矩形断面の材料ではできない、高さや勾配を自分なりに設定ができるので、これほど楽しい作業は無いのです。
平成30年6月10日
床下に送り込む空気の流れを妨げる間仕切りが、出来るだけ少なくなるように設計をされています。
立ち上がりの鉄筋コンクリートは床盤を逆さまに支える梁の役目をしていますが、ここは素直に地中梁の考え方で施されています。
平成30年5月20日
地盤は調査の結果、良好だということで、鉄筋コンクリートのべた基礎で設計されました。
外周は設計地盤から240ミリ下がりがコンクリートの下端、内部は設計地盤から50ミリ上りが基礎の上端です。
やり方は、水平方向の寸法を配するための基準としての仮設ですが、高さもそこに反映をさせますので、非常に重要な仕事のひとつです。
伏見建築事務所の若手の二番手と親方で、まさに基礎から取り組んでおります。